'99 晩秋 数枚のスケッチがいよいよ立体化されはじめた。

目標は2000年1月東京オートサロン出展。

 通常の開発ペースでは間に合わないことは全スタッフが認知していた。時間との闘いである。緊張感の強いスタートとなった。
 いつもであれば縮尺の小さなクレイモデルで検討を重ねていく。しかし今回はそんな猶予もなく、フルスケールモデルに着手することを決断した。

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 開発着手から3週間、クレイモデルが完成した。
 この間デザイナーとモデラーは多くの課題を一つ一つ消化していった。だが、それらは連鎖しており、ある個所に手を加えると他の部位にも影響を及ぼす。結果を読む力と、それらをまとめあげる能力が要求される。

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 クレイモデルが完成すると次は成形型の製作である。
 自動車に使われる素材、成形方法は多種多様である。モディーでは、その開発設備とこれまでに蓄積された独自のノウハウで対応している。ちなみに、カセルタではカーボン成形・射出成形・真空成形・低圧注型などが行われている。

 デザインと技術が非常に近接していること。デザインから量産まで一貫して取り組めること。これこそがモディーの最大の特徴である。

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 塗装ブースでの一コマ。テーマカラーのスーパーレッドは、周囲の光で色合いが微妙に変化する。
 夕日や新緑などさまざまな環境でカセルタを眺める。オーナーしか知らないカセルタの表情。
 走らせるだけでなく、そのたたずまいをも楽しめる車。それがカセルタである

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 塗装も終了し東京オートサロン出展まで残りわずかとなった。
最終組付けである。スタッフはここまでの苦労も忘れ、歓喜に満たされる瞬間である。

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2000年1月 幕張メッセ カセルタの誕生である。

 

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